元気ファームブログ
てんぷらって、揚げるだけ!
てんぷらって、揚げるだけ!
2019-11-06
「てんぷら 成生(なるせ)」、静岡市に志村剛生さん(44)が店を開いたのは2007年。2019年、志村さんは食文化の発展に貢献した人に贈られる辻静雄食文化賞の専門技術者を受賞した。「天ぷらという伝統的ジャンルにおいて、その概念を一新し、料理としての新たな世界を切り開いた」というのが受賞の理由だ。
「てんぷらって、調理時に調味をしないでしょう? 揚げるだけでおいしくする。すごい調理法だと思った」。揚げ方次第で食材に潜む様々な表情を引き出せる調理法に魅了された。
シドニーの日本料理店で働いたことをきっかけに食の世界に入り、焼津の割烹で6年間修業、うち2年ほどお座敷てんぷらを担当しての独立だ。
「ここ4、5年、気候変動による漁獲の変化が著しい。特に9月は水温が上がり過ぎて魚の入手が厳しくなっている。日本で営業する難しさを感じています」。
今日は水揚げが無くてなんて言い訳は通用しないならばいっそ、魚がいる場所へ自分たちが移動してはどうか?今年8月、志村さんはニュージーランドへ行った。営業の場を求めて、物件の下見だ。
鍋一つでどこでもできる、シンプルにして優れたこの調理法を世界に広めたいとの思いもある。
常識を疑う。裾野を広げる。柔軟な発想が今必要だ。